同じ業者からの複数回取引している場合の過払い金請求のリスク【一連か分断かが重要】
同じ貸金業者から複数回取引されている方は過払い金請求をする際に注意が必要です。複数回にわたって取引をしている場合、それぞれの取引が一つの取引と扱うのか別々の取引として扱うのかによって過払い金請求の時効や過払い金の金額が変わります。 これを取引の一連と分断といいます。
一連と分断を判断するのは非常にむずかしいです。一連と分断に対象となる場合は、司法書士や弁護士に相談ことをおすすめします。
面倒だと先延ばしにしていると、時効が成立してしまい過払い金請求ができなくなってしまうので、スピーディな行動が必要です。
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同じ業者から複数回取引をしている過払い金請求は一連か分断かが重要
過払い金請求で貸金業者との交渉の際によく争点となるのが取引の「一連」と「分断」の問題です。
同じ貸金業者から過去に複数回完済したり借入をしたりしている場合に、その取引が継続した一連の取引として引き直し計算(一連計算)をするのか、それとも別々の分断した取引として個別で計算するのかが争われます。取引の一連と分断の判断を個人でするのはとても難しいです。完済してから再度借入するまので期間や借入した時の契約状況や貸金業者の対応によっても違いますので、過去に何度も完済や借入を繰り返していた方は専門家である司法書士や弁護士に相談された方が良いでしょう。
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一連か分断かによって過払い金の返還額や時効が変わる
一連の取引か分断の取引かによって過払い金の返還額が大きく変わってきます。一連の取引として計算したほうが過払い金は多くなる可能性があります。1回目の取引で発生した過払い金を2回目の取引の貸付金に充当できるかどうかと、途中の取引終了時点で時効が成立するかどうかが関係してくるからです。
取引の一連とは?
一度完済したあと、完済した貸金業者から再度借入したときに今までの取引をすべて同一の継続した取引としてみなす方法です。取引の一連性が認められれば、1回目の取引で発生した過払い金は、2回目の取引の貸付金の残高に充当することができるので、最終的に過払い金の金額が大きくなったり債務が少なくなる傾向があります。また、1回目の取引の終了が10年を経過していても一連の取引として認められれば時効は成立しません。
取引の分断とは?
取引の一連性が認められなかったときに、1回目の取引と2回目の取引を分断された個別の取引とみなすことです。 1回目の取引で発生した過払い金は2回目の取引の貸付金に充当することがでません。また、それぞれの取引の完済日が取引の終了時点となるので、完済して10年が経過した取引があれば時効が成立してしまい過払い金請求ができなくなります。
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取引の一連性が認められるポイント
取引の一連か分断かは裁判でも最も多い争点です。貸金業者側はできるだけ過払い金が少なくなるよう「分断」を主張してきますし、請求する側は少しでも多く過払い金を取り戻せるように「一連」を主張します。ここでは、取引の一連性が認められるポイントを説明します。
契約書が1つで複数の借金
1つの契約書で複数回の借入をしている場合は、基本的には一連の取引として主張できます。しかし同一の契約書であっても、一度完済してから再度借り入れをするまでの空白期間が長いと一連性が認められない可能性があります。
空白期間が何年以内だったら一連性が認められて、何年以上だったら一連性が認められないという厳密な判例や決まりはありませんが、2~3年以上空白期間があると一連性が認められない傾向があります。
契約書が別々で複数の借金
借入の都度、新しく契約書を交わした取引であっても一連の取引として認められることがあります。その事例をご紹介します。
平成18年に申立された過払い金請求訴訟で、貸金業者側は、複数回の借換えと完済から3ヶ月後の借入があり、貸付ごとに新たな基本契約書を取り交わしているので同一の基本契約ではないので取引に一連性はないという主張をしていました。
しかし、平成19年7月19日に最高裁で下りた判決は、完済から貸付までの空白期間が3ヶ月と短いということや、貸し付け条件も同様であることから一つの取引として認めるという内容でした。
複数の取引の過払い金請求で一連と認められたケース
下記は、複数回の取引で別々の基本契約書が取り交わされた場合でも、実質的に一連の取引として判断されるポイントです。
- 1回目の契約内容が継続して行われた期間が長かった
- 1回目の最終の返済から2回目の契約の最初の貸付けまでの空白期間が短かった
- 1回目の契約書を返還のしていなかった
- 契約した時に発行されたカードの失効手続きがされてなかった
- 1回目の契約の最後の返済から2回目の契約が結ばれるまでの間で貸金業者と借主とが接触していた
- 2回目の契約に至った経緯と1回目と2回目の契約書の内容の違いがほとんどなかった
基本契約書を結び直していても、その内容に差異がない場合や、1度目の借金完済後に、キャッシングカードなどでいつでも再借り入れが可能だった場合、あるいは1度目の契約書が完済後に返還されていない場合などは、実質的に同一の取引だと主張できる可能性があります。
ただし、1度目の完済から2度目の借入までの空白期間が長い場合や、特に1度目の取引と2度目の取引の契約書が別々で1年以上空白期間が開いている場合には、一連取引の主張は厳しい状況になっています。
各貸金業者によって対応が異なりますので、複数回の取引がある方は、一度専門家である司法書士や弁護士に無料相談されることをおすすめします。
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同じ貸金業者から複数回の取引していたら専門家に相談
取引の一連と分断の判断は非常にむずかしいです。個人で判断するのはほとんど無理だと思われます。たくさんの一連と分断に関する判例が公開されていますが、すべてを完全に理解することはかなりの時間がいります。また、個人の借金の状況や借りている貸金業者によって主張が変わったりします。
同じ貸金業者から複数回の取引をしていたらすぐに専門家である司法書士や弁護士へ相談と良いでしょう。一連と分断は時効が関わってきますので1日でも早い対応が良いです。
過払い金請求・債務整理などの借金問題に特化した司法書士・弁護士事務所なら一連と分断に関する相談も多く扱っていますので実績とノウハウがあります。気軽に相談できるように、相談料・着手金にあわせて過払い金の調査・計算も無料でおこなっている事務所もあります。そういった事務所は、過払い金が発生しなかった場合に報酬をいただくことはありません。
過払い金請求には期限があり、時効が成立すると過払い金は減額されたり、戻ってこない場合もありますので、無料相談されることをおすすめします。
過払い金とは
過払い金とは、消費者金融やクレジットカード会社に「払い過ぎていた利息」のことです。
平成18年の貸金業法改正以前は、貸金業者が守るべき法律は利息制限法(18%~20%)と出資法(29.2%)の2つの法律があり、多くの貸金業者は2007年くらいまで利息制限法よりも高い金利で貸付をしていました。この、利息制限法と出資法の間の金利のことを「グレーゾーン金利」といいます。
2006年に最高裁判所で「グレーゾーン金利は認めない」という判決が下り、2010年に貸金業法の上限金利は利息制限法に統一されグレ―ゾーン金利は廃止されました。このグレーゾーン金利で支払いしていた払い過ぎた利息を取り戻すことを「過払い金請求」といいます。
過払い金が発生している可能性が高い貸金業者一覧
2010年までに、消費者金融やクレジットカードでキャッシングをしたことがある人は、ほぼ全員過払い金が発生している可能性が高いです。返済中の人でも6年以上取引をしていた人は、現在の債務がなくなり過払い金が戻ってくる可能性があります。
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過払い金請求のリスク
過払い金請求は、債務整理と違い、信用情報はブラック(異動情報)になることはなく、返済中の場合は毎月の請求が止まって過払い金で債務がなくなるというメリットしかありませんが、以下のリスクが考えられるので注意してください。
返済中に過払い金請求をする場合は、ブラックリストに注意!
専門家に依頼して返済中である貸金業者に過払い金請求をする場合、貸金業者宛に専門家より受任通知を送るとブラックリスト(信用情報機関)に事故情報(異動情報)が載ってしまいます。
引き直し計算をした結果、借金が0になり過払い金が戻ってきたらアコムの事故情報は消えますので心配いりませんが、もしも、借金が残ってしまった場合には、和解後5年間はブラックリストに載ってしまいますので注意が必要です。
しかし、以下の場合は過払い金請求をしてもブラックリストに載りませんので安心してください。
- 貸金業者の借入金を完済している場合
- 貸金業者の借入金が残っていても、引き直し計算の結果で借金が0になる場合
ブラックリストに載るのが心配な人は、事前に過払い金が発生しているのか専門家に無料調査を依頼するのが良いかと思います。
過払い金請求には時効がある
過払い金請求はいつまでもできるものではありません、消滅時効があります。完済して10年経過すると消滅時効が成立して過払い金請求はできなくなります。2007年以前に借り入れをしていたとしても、消滅時効が成立すると過払い金請求は戻ってきません。消滅時効の起算日は完済した日からです。
また、取引の分断がある人も時効に注意が必要です。取引の分断とは、途中で完済して再度借り入れをした場合に、1回目の借り入れと2回目の借り入れを別の取引として見なすことです。
貸金業者からの1回目の借り入れの完済が10年以上前だと、1回目の借り入れは消滅時効が成立していて、貸金業者に過払い金請求をすることができません。
また、1回目の完済が10年経過していなくても、1回目の取引と2回目の取引を一連の取引としてみなして過払い金を計算するより、1回目の取引と2回目の取引を別々の取引として見なして計算する方が、過払い金の発生金額は減ってしまいます。
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事務所選びのポイント
-
1.信頼できる事務所か?
2.過払い金請求・債務整理を専門としている事務所か?
3.業務の流れや費用を説明してくれるか?
4.過払い金請求訴訟を提案してくれるか?
1.信頼できる事務所か?
多くの事務所は電話口で過払い金請求の無料相談を受け付けしています。まずは、無料相談だけでもこちらの話をじっくりと聞いてくれて、質問にも的を得た回答をしてくれる、親切で丁寧な対応の事務所かどうか確認しましょう。
事務所によっては、上から目線の対応やぶっきらぼうな対応、説明が不十分なうえに営業をガンガンしてくる事務所があります。そういった事務所がのちのちトラブルが発生する可能性がありますので注意してください。
2.過払い金請求・債務整理を専門としている事務所か?
司法書士事務所・弁護士事務所は、様々な種類があり得意とする分野や不得意とする分野があります。過払い金請求・債務整理事件の解決には事務所の交渉力が大きく関係しますので、過払い金請求・債務整理を専門としている事務所を選びましょう。
貸金業者は過払い金を返還したくないので、交渉窓口には過払い金請求の知識が豊富な担当を配置して徹底的に争ってきます。専門でない事務所が対応をすると、貸金業者の交渉に言いなりになってしまい返還金額が大きく減額されます。
過払い金請求を専門としている事務所は、貸金業者が主張する争点にも対抗できる知識や交渉力を持っています。より多くの過払い金請求を取り戻しすためには、過払い金請求を専門にしている事務所を選ぶと良いでしょう。
また、事務所の交渉力を確認するためには、無料相談の際に依頼する貸金業者の回収率を聞いてください。できれば、実際に和解交渉をしている担当者に聞いた方が良いです。
なぜかと言いますと、特に大手の事務所は業務効率化のために分業制にしています。事務所の印象を良くして受任件数を増やすために、相談業務については、ハキハキとした明るい人材を配置しています。
しかし、実際に過払い金請求の交渉をするのは、交渉担当者です。この交渉担当者が弱気な人であれば、カード会社の強気の姿勢に負けてしまい回収金が減ってしまいます。自分の過払い金請求を安心して任せられる人かどうかを知るために、交渉担当者から直接話を聞くと良いでしょう。
3.業務の流れや費用を説明してくれるか?
過払い金請求の相談をした際に、業務の流れや費用の説明が不十分なままに取り敢えず契約を促してくる事務所があります。そういった事務所は、事件の処理を放置したり、費用を思った以上に取られたりとのちのちトラブルが発生しますので注意をしてください。
費用の基本料・成功報酬料・実費の設定は事務所によって違います。契約前にきちんと業務の流れが理解でき、過払い金請求にかかる費用の内容に納得できてから契約すると後のトラブルは防げます。
4.過払い金請求訴訟を提案してくれるか?
過払い金請求が増えたことにより年々、貸金業者の経営状態は悪化しています。過払い金請求が原因で破綻した貸金業者も数多くあります。そのため、近年、任意交渉ではなかなか過払い金を取り戻すことが難しくなっています。依頼者の事を考え過払い金をより多く取り戻すために過払い金請求訴訟を前提に受任してくれる事務所か確認しましょう。
しかし、訴訟提起をすると追加で費用がかかったり、解決までに時間がかかったりするケースがあります。貸金業者の傾向をしっかりと把握して訴訟を起こすメリット・デメリットを説明してくれる事務所を選ぶとよいでしょう。
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